STAP細胞に関する二報の論文が "Nature"に発表されて、日本はもとよりのこと世界中が目を丸くした驚きが収まらないうちに、新たなとんでもない様々な事実や疑惑が湧き起こって、ひっくり返るほどの激震が走った。
この発見が報道された直後、生物学の常識を覆す「大発見」であること、生物学者としては胃がひっくり返るほどの発見であることを、このブログに書いた。ES細胞、クローン動物、そしてiPS細胞と、生物学者としては驚きの連続であり、目まぐるしく、輝かしい発展をしてきたことは学問的視点からだけ論じるならば拍手喝采の出来事である。しかし、人間学の遅れが著しく、行く末に対する懸念も記述した。しかし、あの時点でよもやこのような事態に展開するだろうとは知る由もなかった。
今にも、ノーベル賞だと大騒ぎをし、また、病気になった人の臓器を次々と入れ替えて、「車椅子も、義足も不要になるだろう。九十歳になっても幼児のような瑞々しい肌を保てるだろう」などと愚かなことを発表して大騒ぎをしたのは、いわゆる何も知らない野次馬ではなく、実は生物学を知っているはずの人々であったのである。
ところが、他の施設で追試実験しても再現性が認められないと騒ぎ始め、遂に「捏造」疑惑が起こり、そうすると本質を多少逸れたところで、問題を発見しやすい様々な不備が次々と発見され、褒めそやしたその声が今度はこぞって凄まじいバッシングの声へと変身し、総攻撃が始まった。
さて、昨日、2014年3月14日、理研の幹部が記者会見して、論文の取り下げを視野に入れており、小保方氏始め理研の著者たちが了承しているとのことも明らかにした。
筆者は現役の研究からは退いている外野の一生物学者に過ぎないが、小保方氏始め共同研究者たちの対応、高く評価をして大騒ぎをしておきながら、追試をしても再現性が認められないとマスコミに発表して大騒ぎを拡大している外野の「科学者たち」、また理研の人々の対応に疑義を覚えるので、専門家の末端にいる者として少しコメントを書いてみようと思っている。
事実として何があったのか、著者たちが真実を語らない限り分からないことであるが、この機会を捉えてゴミを掃除して欲しいと筆者は願う。マスコミ報道を見る限りに於いて、共同研究者たちは小保方氏をスケープゴートにして自分は逃げてしまいたいという、信じられない無責任極まる卑怯な態度が見えてきて非常に残念に思う。一度は、一緒に栄誉を得ようとしたのではなかったのかと、つい思ってしまう。若い優れた科学者を餌食にして潰してしまうのではなく、共同研究者や理研の先輩科学者たちが彼女を変な庇護下に置かないで正しく護り、科学者として自立した将来を歩めるように配慮して、育てて欲しいと祈る。
⇒ 重石稔 (10/29)
⇒ historia (10/11)
⇒ 司法は腐ってる (06/26)
⇒ 師子乃 (09/27)
⇒ Yukimichi Okabe (11/06)
⇒ 吉村友喜 (08/07)
⇒ tera (08/06)
⇒ 頭の悪いおぢさん (05/11)
⇒ 武田照子 (04/19)
⇒ 田口哲夫 (04/10)