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STAP細胞 (15) 騒動は最悪の幕引きに? 弁護団は科学を軽視し過ぎているのではないだろうか?
*芸能人並みの扱いをしたマスコミ、餌食にされてしまった若い女性研究者
小保方氏がパパラッチ(NHKの記者だった)に追いかけられてけがをした! 弁護団は,「強要罪での告訴も検討」と抗議したという。 社会の片隅の研究室で,地道に研究していたはずの若い研究者が,突如としてスポットライトを浴びてマスコミにチヤホヤされ、次いで袋だたきされ,遂には芸能人並みにパパラッチに追いかけ回され,ウソかマコト?が分からない「ミーハー情報」がテレビや新聞、そして恐ろしいインターネット上で踊り回るというお粗末な顛末は,一体何を意味しているのだろうか? ネクタイを締めたお行儀の良い、良識を備えていることになっているNHKがこの体たらくでは,他の各社は何をしているのだろうか?
(この件については別の項目を参照。「生きる(1) 封建思想・弱肉強食思想の中で、「女が生きる,男が生きる、老いを生きる」


*騒動は最悪の事態で収束か?
このように白熱する下らないマスコミの泥仕合の中で,事態は収束?に向かっているようにも見える。

然るべきデーターも実験ノートもいっさい開示しないで,「STAP細胞はありまーす!」という発言をすることは、マイナス効果しかもたらさないこと、そして論文の信憑性をますます疑わせる結果をもたらすことを彼女に教える科学者が側にいなかった! 弁護団はこんな簡単なことさえ理解しなかった!

論文を撤回することに最後まで抵抗していたが,データーを見せないで言葉だけのまやかしをしようとした。しかし、この問題の本質は法律的な問題ではないのであるから、所詮このような対応で抵抗できるはずもなく,撤回せざるを得ないところまで追い詰められた。追い詰められて、追い詰められて・・・そして、ぶざまな敗北を喫したのである。
論文を撤回したということは,全て白紙の状態に戻り,消すことの出来ない汚名を世界中に流したということである。このように不名誉極まる形での撤回にまで彼女を追い詰めたのは,もちろん,一番に彼女や共同研究者たちの責任であるが,弁護団の責任も大きい。この点については,後述する。


*学術会議による裁断
小保方氏本人が実験を再開した。改革委は,不自然かつ不真面目な対応に不信感を募らせ,理研を断罪すべし,「軟着陸」は許さないと発表。理研は年度内に問題の全容を明らかにし、けりを付けると述べた。しかし、発生・再生科学総合研究センターは存続させたいと述べている。

7月26日、日本学術会議は,「検証実験の結果に関わらず,保存されている試料(資料か?)の調査で不正の全容を解明し,結果に基づいて関係者を処分するよう求める」という声明を発表した。改革委員会が「STAP細胞研究全体が虚構であったのではないかという疑念を禁じ得ない」と指摘し。また理研の組織の欠陥を批判し「指導層に大きな過失責任があった」と指摘しているのは説得力があると、学術会議は評価している。

そして、7月28日、改革委は「理研は再生研を研究の場に戻し、STAP細胞とは決別するべし」と発表した。


坂道を転げ落ちるように
さて、全くの部外者である筆者は、マスコミ報道のうち、一応は信じて良いかも知れないと思われる情報から窺い知るしか手段はないが,それから判断すると、以下のような結論になるだろう。

主要な共同著者たち、すなわち,笹井芳樹氏、若山輝彦氏、チャールズ・バカンティ氏は,最終的には論文の内容をほぼ否定した。
・論文は白紙撤回された。
・撤回に対して科学的に反論できるデーターや,実験ノートは存在していないようである。
・そのために、当然の帰結として論文は信用できないだろう。
・そうして、理研は小保方氏を見捨て,STAP細胞を見捨てた。
・何とか理研の組織を護りたいという思いが強いようである。トカゲの尻尾切りを出来ないものかと,当初は相当模索していたようであったが,どうやらその可能性が低くなってきた。
・学術会議もSTAP細胞の存在をほぼ否定した。そして、このような大醜態を演じた理研を厳しく糾弾している。


*弁護士団による弁護方針の決定的な間違い
彼らの対応を見ていると、科学者の一人としてもどかしくて仕方がない思いをしてきた。黒くても白いと主張して,弁論のテクニックで勝つのが弁護士活動なのかもしれない。通常の弁護士活動は,それでまかり通っているのかも知れない。筆者の知らない世界なので何とも言えないが、少なくとも、科学の論争は違うのである。世間を知らない若い研究者を右往左往させている弁護活動をしておられると思えて仕方がない。

政治の世界は,まさしくそのような泥沼戦争であるようである。弁の立つ方が勝つ。論理がひっくり返っていようが,相手に煙幕を張って相手が混乱しているのに乗じて,自分の屁理屈の中に巻き込んでしまう。昔・・・もう、20年近い昔のことになってしまった・・・サリン事件のとき,「オウム真理教」(宗教という仮面を被って人々を集め、マインドコントロールをかけられ殺人集団と化していた)という団体を代表して,逆さまの論理を振りかざして記者団を煙に巻いた広報担当者がいたのを思い出す。

正義を問うはずの犯罪がらみの刑事裁判でさえ,残念ながら黒を白と言いくるめて犯罪者を野に放ったり、刑期を不当に短縮したり出来るのが有能な弁護士ということになっているのではないだろうか? 
そして、経済力のある方が勝つ。人数の多い方が勝つ。全く力づくで勝ちをもぎ取る世の中のようである。

小保方氏の弁護団は、同じ手法で科学の是非を問う弁護をするつもりだったのではないだろうか? そんなことが通用するはずはないのであるのに、それに気が付かなかった。専門領域に対する尊敬を払わない弁護士であるようである。口先だけで専門性の高い論争を勝ち抜こうとするのは,傲慢であり、無謀にもほどがある。


*一人の科学者からのアドバイスを無視し通した弁護団
さて、知らないということ自体は,初めて取り扱った案件の入り口としては致し方がない。しかし、自分に判断できないという事実を認めないのは罪であり、傲慢である。ともあれ、弁護団の代表弁護士のブログはメールを送れるようになっていたので,専門的な見解を相当長々と書き連ねて送った。また、この案件に関しては,弁護団に科学者を少なくとも一人加えるべきことを進言した。しかし、無名の一人の科学者からのメールは完全に無視されてしまった。それから、暫く経って,性懲りもなくもう一度、そのサイトからメールを長々と書いて送った。しかし、今度も完全に無視されてしまった。彼は、弁護依頼を受けるサイトとしての認識しかないのかも知れない。

小保方氏が,実験記録をろくに取りもしないで勝手に論文を書いたりしたのなら,あるいは万が一にも積極的に本当にデーターを捏造していたのなら,・・・・科学者ならば、彼女の所に行って彼女が持っている資料を見れば,その実態を見抜くのに大した時間は要らない。あの厖大な論文を書くだけのデータがあるのかないのか,実験結果が,実験記録があるのかないのかなど,一目瞭然である。あの特殊な専門分野の科学者でなくても,生物学のしっかりした知識を持っている科学者なら判断できるのである。そして、あんなにみっともない「ノートと称した紙片」を大衆の目に曝さなくても済んだのである。

そして、人々に叩かれて息も絶え絶えボロボロになって、今結論づけられつつあるところへ到達するのではなく,問題が指摘された直後、もっと早い時期に、自分から非を認めて詫びることだって出来たのである。確かに悪いことをしたけれども,それを自ら告白し,悔い改めることによって,自分自身も傷が浅くて済んだ。そして、日本の科学会の傷も浅くて済んだ。

弁護士団は主観的には懸命に働いたのだろうが本質をずれているために、ここまで傷口を拡げてしまった。今回のことで,しっかり学んで貰いたい。専門性の高い事案は,専門家を加えなければ本質に迫ることが出来ないということを。医療過誤の裁判で分かっているだろう。医療過誤を問う裁判は専門家が本気で携わっても証明しにくい様々な障碍があるが、弁護団が医療のことに無知なのに,専門家の助けを受けない,あるいは受けたくても本当には受けられないために、なおさら医療過誤の裁判に勝てない(勝率は2割だそうである)という一面があるのではないだろうか?


*STAP細胞はあるのか? 無いのか?
筆者は非常に気になる。小保方氏が好い加減なことをした事実はもう拭えない。しかし、にもかかわらず、STAP細胞はあるのではないかという一抹の希望は棄てたくない。早く,この疑問に対して、正しい答えを見たいものである。
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