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いじめ→焼身自殺→訴訟→敗訴→高裁が真実を認めるまで9年:裁判官を盲目・暗愚にする社会
職場のいじめで焼身自殺

9年前、一人の市バスの運転手が焼身自殺した。37歳。
初めは何故自殺したのか分からなかったと両親は言う。ところがひょんなことから職場の上司による陰湿ないじめ、いわゆるパワハラが自殺に追いやったということが分かった。

乗務指導ということで、乗客としてバスに乗り込み調べたのは良いが、電話で「葬式の司会のようなアナウンスをやめろ」と、その指導者はオフィスに報告した。指導しているようで、実は嫌がらせ、いじめの報告である。
次いで、一日のうちに別々の3人の上司がバスに乗客として乗り込んで調査した。乗客としてと言っても、もちろん運転手は職場の上司が指導員として乗り込んできたことを知っており、陰湿ないじめの乗務指導である。

続けて、バスの中で転倒したという年をとった女性による訴えが、事件発生後一週間も経ってから事業所にメールがあった。市バスの事業所は、誰かを特定して、言うなら「犯人」にしなければならないからだろうか、いじめ対象にしていた運転手がその事故を起こした運転手として無理矢理に責任を押しつけ、警察に出頭させた。

いじめ抜けば、退職してくれるのではないかと期待したのか?だが、退職では済まなかった。この運転手はいじめに耐えきれず、焼身自殺した。

両親による労働災害の補償の訴え

学校のいじめでも、会社のいじめでも、問題が起こると「いじめはなかった」と、知らぬ存ぜぬ、とことん隠蔽するのはどこでも同じ。本件でも労働災害は決して認められず、訴えても訴えても、はねつけられ続けた。

当該自治体は、名古屋市である。両親だけでは出来ることは限られているが、弁護士がついた。支援者も大勢得られた。そんな中で、いじめの実態が次々と明らかになってきた。しかし、市側がいじめを認めることはなかった。何が何でも、市は責任を回避したかったのだろう。誰か犠牲の羊が見つかりさえすればそれで良かったのだろうか?

そもそも、市バス事業所でいじめがなければ、何も起こらなかったはずであった。上司の悪質なパワハラが仮にあっても、弱い者を守る雰囲気さえ職場にあれば、何も起こらなかったはずである。ちょっとした転倒事故があっても、そのときの運転手を間違いなく探し出すのはそんなに困難なことではなかっただろう。そうすれば、今回のことは起こらなかっただろう。仮に、その運転手を見つけ出すことが出来なかったとしても、記録による明らかなアリバイ(下に詳細に記す)のある人物を犠牲者に仕立て上げるような犯罪行為をしなければ、今回の事件は起こるはずは無かったのである。

裁判所へ訴え

「葬式の司会」という言葉による暴力もけしからんことであるが、言葉の暴力はともかくとして、事故の時の運転手の特定は、実はそんなに難しいことではなかった。そして、事故が起こった日時、同じバスに乗っていて転倒したという乗客を助けた乗客の証言、バスの運行記録、乗客の動向、運転手の勤務記録で、バスは簡単に割り出せた。・・・そして、運転手も割り出せたはずだが、その運転手の名前は公表されなかったが、少なくともいじめられて自殺した運転手ではなかったことは明らかであった。

地裁の裁判官は気でも狂ったか? この明々白々の事実を認めなかった。先に書いたように「葬式の司会」という言葉をパワハラと認定するかどうか、また、上に記したような嫌がらせ的な過剰の「勤務指導」のあり方をパワハラと認定するかどうかは、ともかくも置くとしよう。
運転手が誰であったかという、 疑問を挟む余地のない記録を認めない裁判官には開いた口がふさがらない。

‥湘櫃靴疹莎劼判けた乗客は、同じ病院に通っていた患者で、いつも午後の決まった時間に通院するためにバスに乗っていた。▲丱垢里修瞭の運行記録と乗務した運転手の記録によると、犠牲者になった運転手は当日午前の勤務で、事故の時刻には乗務していなかった。その日の乗客の乗降の記録は、バス会社側が主張する当該バス(この運転手が勤務)の乗客数は、事故が起こったとする時間と場所では、男女二人が降りて乗客はいったんゼロになり、その停留所で入れ替わりに新たな二人の男性が乗り込んだ。
 
この事故のバスを運転していた運転手は別の人物であることは、あまりにも明らかである。そして、弁護士は当然この点を指摘したのである。いくら何でも、それが分からなかったほど裁判官は馬鹿ではないだろう。とすると「故意に見逃した」か、あるいは「名古屋市から圧力がかかったか?」 巡り巡って裁判所の上級職に、そして担当判事に圧力がかかったか? 悪意があったのではないか、という気がする。裁判は「正義」の旗をかざして、ここまで悪いことをする。

しかし、この点を曖昧模糊とした上に、職場のいじめを認定せず、自殺したのは当人が弱すぎたと断定したのである。

判決は「正義」だと思われたから支援者の数が減って、当事者も含めてたった9名になってしまった。そして、くたびれ果てた母親は、この訴えから一歩退いた。裁判でかの運転手に対するひどいパワハラがあったことを証言した同僚は、その人物の名前を明かすことを拒んだ。「後でいじめられるかも知れないから」とはっきりそう言った。今、職場でいじめられていないだろうかと、心配である。

高裁に控訴、そして真実が認められた

長い闘いであった。
こんなにも明々白々な事件の真相が裁判で公に明らかになるまで、9年の歳月を要したなどという日本の社会の闇を知らされた気がした。自分の都合の悪いことを隠蔽し、都合の良いように詐称してまで、市のメンツと組織の上部の人間を守ろうとする陰湿な体質が日本の官僚組織なのだろう。

9年のつらい歳月だっただろう。
そして、やっと、裁判所が真実を認めた! 
しかしながら、どんなことをしても、両親の苦しみの貴重な時間は決して戻ってはこない。ましてや、苦しみ回ったあげくに焼身自殺した彼のいのちはもう戻ってこない。

毎日の新聞やテレビニュースを賑わす様々なつらい事件は小さくしか取り扱われないが、人のいのちが粗末に扱われる今の日本に救いが早く訪れますようにと祈らずにはおられない。

































 
15:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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