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セミの長い一生:長い年月を地中に過ごし、成虫になったら1ヶ月

セミの変態と最後の羽化

 

庭のあちこちにポコポコと穴があき、セミが長い地中生活を終えて地上に出てきて、ささやかに夏の訪れを告げる。地中から出てきて、旅立ちの最後の段階、羽化の場を木の幹や木の葉に定めて静かに待つ。夜遅く、あるいは朝、羽化が完了して飛び立った後の抜け殻がいっぱい幹に取り付き、木の葉にぶら下がっている。写真は木の幹に逆さまにしがみついている抜け殻であるが、この接着力は相当強く、ちょっと払ったくらいではびくともしない。

 

驚いたことに、土から離れている石の門柱を羽化の場に定める個体がいるということで、それも風変わりな個体や、道に迷った個体ということではないらしく、かなり数が多い。地中から出てきて、地面を這ってわざわざ石の門柱まで辿り着いて、そして、今度は石の門柱を這って上っていくのは、かなり大変な労働である。しかし、相当多くの個体が敢えてこの行動を取るのはどういうことだろう?

 

筆者が今の家に居を定めてから四半世紀、その頃、セミが羽化する時期に庭の穴は無数にあいた。そして、セミの声は「セミ時雨」などという生やさしい言葉で表現できるようなものではなかった。耳をつんざく勢いで「これはたまらん」と、思ったくらいであった。

 

そして、8月中旬を過ぎると、柔らかな「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ」と秋の訪れの近いことを、さわやかに伝えてくれる。これが夏の風物詩の一つであった。

 

ところが、自然破壊の進んでいることの象徴のように、年を経るに従って穴の数が減ってきて、セミの鳴き声も耳をつんざくほどの勢いが年々なくなってきている(写真はアブラゼミ)。また、ツクツクボウシが我が家の樹に来なくなり、家の周辺で聴かなくなって数年になるが、都市部からいなくなったのか、筆者の住まいの近辺でだけいなくなったのかわからない。

 

創造主の叡智がきらめく生物

 

このような小さな生き物にも創造主が祝福を与えて、それぞれに特別な姿と形、そして絶妙な機能を与えて創造されたことを紹介し考察する原稿を数日前に書き終えた。マルコーシュ出版発行の「ハーザー」誌に、「創造と福音」という全体の構想の下に、3年近く続けて書かせて頂いている。天地万物の創造に始まり、2016年9月号にはセミのような小さな動物の精巧な造りを通常の教科書の視点ではなく、偉大な企画の下に創造された生き物として紹介している。

 

セミはセミとして、蝶は蝶として、トンボはトンボとして、それぞれが特別に企画して創造されたこと、いのちのすばらしさを伝えている。ハーザー誌は、1年遅れくらいで筆者のウェブサイトに公開しているので、それを参照して頂くと万物の創造に関して詳細に紹介している。

 

羽化の成功と失敗

 

昨夜、犬を散歩に連れて行こうとしたところ、例によって門柱に止って羽化が始まっている個体を発見した。すでに白い羽が出始めていて、じっと見つめていると動いている。少しずつ、少しずつ羽が広がって行っている。その速度は意外に速い。ふと、そばのキンモクセイの木を見ると、その葉でも別のいのちが羽化の終了間近の個体がいた。すでに羽は茶色に色が変化している。それをじっと見つめていたが、こちらの個体は、どうも動きがなく、いのちの息吹が感じられない。

 

それをそのままおいて、取り敢えず犬を散歩に連れ出した。

 

帰ってきて二匹のセミがどうなっているのか見てみると、僅かの時間に白い羽はさらに長くなり、そして、まだ少しずつ伸びて行っている。それからまだ暫く見ていると、羽は九分通り伸びたのかなと思われるまで伸びてきたが、それでも羽の色は白いままであったので、成虫として飛び立つにはまだ時間が必要だと思われた。写真は羽化が完了して、抜け殻を残して飛び立つ寸前のセミである。

 

一方、完全に羽が出てしまい、色も成体の茶色に変わっていた方の個体は、まだ何の変化も見られない。暗い中ではあるが、じっと見続けていても一向に動いている気配がない。どうも、羽化に失敗してしまったのかな、という気配であった。

 

セミの羽化の過程など滅多に見ることが出来ないので、それから30分ほども観察し続けたが、この個体には変化が見られなかった。

 

翌朝、つまり今朝、もう一度この2匹の行く末を確認した。

白い羽が出つつあった個体は、抜け殻が残されていて、羽化が無事に完了して飛び立ったと思われる。今聞こえるセミの声は、そのうちの1匹かな?

一方、もう一つの個体は、ほとんど羽化が終了し、飛び立つ寸前に何かが起こって、結局、羽化に失敗したのであろう。死んだセミが抜け殻にくっついた形で残っていた。

 

セミの一生は長いか、短いか?

 

セミは地中で長い年月を過ごした後で、羽化した後、楽しそうに鳴くのは1ヶ月足らず。ということで、セミの一生はこの1ヶ月に過ぎず、長い年月を地中で堪え忍んだのに、やっと地上に出てきたと思ったらすぐ死んでしまうような哀れないのちだと一般には思われている。しかし、セミの一生は、果たして僅か1ヶ月足らずなのであろうか? セミはその種に拠るが、数年から十数年間、地中で生きている。その長い年月をどのように考えるのか? 

外へ出てきて生きている期間だけがセミの生涯だと考えるから、地中での年月を考えの中に入れないから、哀れを催すのではないだろうか? しかし、セミの生涯は、地中で始まり延々と生き続けた後に外に出てきて、生涯の最後を鳴いて過ごして、そして次世代を残すのである。

 

セミの生涯に哀れを催すことはなく、このような祝福されたいのちを創造主に頂いたのである。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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