人々の心を打った闘病記
ニュースキャスターだった小林麻央さんが、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんと結婚して世の中の話題になったのは多分大分昔のことなのだろう。芸能界の情報には疎いので、今回の乳がん闘病日誌の社会的反響が話題になって、関連する過去の芸能界のニュースを遡って知った次第である。
ともあれ、「乳がん」になってブログに闘病記を書いて、そのブログはどうやら素晴らしいものだったらしく、日本のみならず世界的に大反響をもたらしたようである。
このブログが乳がんで苦しむ病人に勇気を与えたとか共感を呼んだとか、色々影響があったらしい。歌舞伎俳優の妻ということで多数の読者が得られ、ネット上でどんどん広がった。真摯な闘病記を公開すること、それ自体はまことに結構なことである。そして、遂に闘病の甲斐なく病に倒れてしまったのは大変残念なことであった。
乳がんは怖いという印象をばらまくことになったブログ!
ただ、当然のことながら非常に否定的効果「乳がんは怖い」という恐怖感を煽ることになった・・・当人はよもやそれを意図した筈はないが。
ガンがとことん恐れられた時代は通り過ぎたという一般認識が、日本では固まり始めているところである。膵臓ガンなどはまだ発見しにくく、発見されたときには手遅れという事態も少なくない。しかし、乳がん、前立腺ガンは初期に発見されやすく、そして初期に発見されればもう恐れなくてもよくなっている。胃がんも大腸ガンも同様に、発見が遅れなければガンは命を奪うものと恐れなくてもよくなっている。
それなのに!まことにもって遺憾である!彼女の闘病記が興味深いものであればあるほど、その否定的効果は大きい。医師は乳がんはしっかり治療すれば完治しますと、彼女のブログ効果を打ち消すことに努力しなければならなくなっているのである。患者はただでさえ不安を抱えているのである。あんなものが出てしまうと、その不安を掻き立てられてしまうのである。
乳がんとの闘いが真の勇気を人々に与える働き
おりしも、今朝6月25日(日)の朝刊に出ていた芸能界の別の女優の証、「喜びを見つけて、気持ちが沈んだら笑う」は美しく力強く、本当の意味で人を励ます。この女優、樹木希林さん(74歳)は、60歳を過ぎて乳がんが発見され、そして彼女の場合にもガンは全身に広がっていたが、闘病しながら映画などに出続けた。2015年に公開された映画「あん」では、ハンセン病を病んだ主人公を演じたという。実はその縁で、ハンセン病療養所の入所者等を迎えて大阪市内で開かれた「いのちや人生の最後を考えるフォーラム」に招かれて、前記「喜びを見つけて、気持ちが沈んだら笑う」の発言になった。
乳がんが発見されて10年以上、全身にガンが広がって闘病は続いているが、しかし、彼女の行動や発言には死の臭いはしない。もとより、病状は違うだろうが、しかし、彼女の証は間違いもなく病人を勇気づけ、又将来に向けての力強い証言になっている。乳がんは恐ろしいという悲しいメッセージを伝えてはいない。
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